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SunShell ペプチド・タンパク質用カラム

SunShellシリーズではペプチド・タンパク質用カラムとして、C18-WP,HFC18-16,HFC18-30, C8-30, C4-30,C4-30およびC8-30HTをラインナップしています。

16nmの細孔径はペプチド等の分離に適しており、30~100nmの細孔径はタンパク質等の巨大分子に最適です。

固定相はC18、C8、C4、Hexa-Functional(HF)C18固定相を用意しており、目的の物質の疎水性に応じて使い分ける事が出来ます。

Hexa-Functional(HF)C18とは?

hfcとは

Hexa-Functional C18 は6個の官能基を持ち、6本の足でシリカゲルに結合する形になります。6カ所のシロキサン結合により耐酸性を高めました。

ペプチド・タンパク質用カラムの基本特性

充填剤の基礎特性

コアシェルシリカ 結合相
粒子径(µm) コア径(µm) 細孔径(nm) 比表面積(m2/g) 固定相 炭素含有量(%) 結合密度 (μmol/m2) 使用最高圧(MPa) 使用pH範囲
C18-WP 2.6 1.6 16 90 C18 5 2.5 60 1.5 - 10
HFC18-16 2.6 1.6 16 90 C18 2.5 1.2 60 1.5 – 9
HFC18-30 2.6 1.6 30 40 C18 1.3 1.2 60 1.5 - 9
C8-30 2.6 1.6 30 40 C8 1.2 2.5 60 1.5 - 9
C8-30HT 3.4 3.0 30 15 C8 0.5 2.5 60 1.5 - 9
C4-30 2.6 1.6 30 40 C4 0.9 3 60 1.5 - 8
C4-100 2.6 1.6 100 22 C4 0.6 3 60 1.5 - 8
エンドキャッピングはいずれもSunniset endcapping

(※)内径4.6mmのカラムの耐圧は 50MPa, 7141psiになります。

タンパク質分離の違い

図のクロマトグラムは各カラムで代表的なタンパク質を分離したものです。

ピーク幅を比較すると、C4-30やC8-30よりも1000Åの細孔径を有するC4-100の方がシャープなピークが得られております。

表面多孔質層の薄い(0.2 μm) C8-30HTは比表面積が小さいため、試料負荷量が多くありませんが、上記分離例からも分かるように注入量を少なくすると最もシャープなピークが得られました

ピーク幅(W0.5, min)の比較

C4-100C4-30C8-100C8-30C8-30HTC8-30HT 0.5uL試料濃度
Cytochrome C0.1670.1770.1600.1550.2120.1440.050%
Lysozyme0.1640.1800.1530.1660.1960.1450.050%
BSA0.3080.4100.2760.5140.4220.3300.100%
Myoglobin0.1970.2210.1800.1990.2380.1760.050%
Ovalbmin0.3910.8890.2470.4280.1840.1760.050%

ペプチド分析用カラムの特徴

...

C18アルキル基の結合密度が約半分となっている高分子用カラム(HFC18)は、通常のC18とは異なる分離をします。

ペプチド・ポリペプチドの分離には、疎水性の高過ぎないC8やC4を用いた方が試料の回収率や分離が良いことが多く、 SunShellの高分子用カラムのHFC18も同様に結合密度を下げているため疎水性が低くなっており、良好な分離を示します。

カラム温度とグラジエント時間で分離が向上できます

温度の比較
カラム温度の比較
グラジエント時間の比較
グラジエント時間の比較

タンパク質のような高分子は拡散係数が低いため、室温では分離不十分でもカラム温度を上げることにより改善できます。

25℃ではテーリングのピークに見えるBSAは、80℃ではいくつものピークが出現してきます。

また、グラジエント時間を長くすることにより、タンパク質の分離は向上します。

25℃でグラジエント時間15分から80℃でグラジエント時間35分に分離条件を変更すると、分子量40,000以上のBSAやオバルブミンは1本のピークを8から15本のピークにすることができました。

SunShellタンパク・高分子用カラムは高温でも優れた耐久を示しますので、今までは試せなかった高温での分離も検討頂けます。

多孔質層の薄いC8-30HTカラムによって高速分析ができます

c8-30ht

SunShell C8-30HTは拡散係数の低い高分子のためにコアシェル粒子の多孔質層を薄くしました。

これによりカラム温度が低い場合のグラジエント溶離や、短時間のグラジエント溶離(ハイスループット分析) ではシャープなピークが得られます。

また、カラム温度を上げて長時間のグラジエント設定で精密分離を行う場合は、温度による拡散速度の向上や長いグラジエント時間による分配作用により、多孔質層が厚い方が有利になるので、従来の高分子用カラムをお勧めいたします。

温度の比較
ハイスループット分析
温度の比較
精密分析

モノクローナル抗体が分離できます

細胞培養によって得られた精製抗体(IgG)の分離

カラム: SunShell C4-100 (1000 Å), Other C4, 300 Å, Other C8, 300 Å

カラムサイズ: 100 x 2.1 mm i.d.

移動相
A) 水/トリフルオロ酢酸 (100/0.1)
B) アセトニトリル/トリフルオロ酢酸(100/0.085)
%B 30 → 45(0 → 30min)

流速: 0.4 mL/min

カラム温度: 80 ºC

検出: UV at 215 nm

注入量: 5 µL

試料: 細胞培養によって得られた精製抗体 (IgG, プロテインGアフィニテイーカラムで精製)

モノクローナル抗体のような大きなタンパク質については、30 nm (300 Å)の細孔では十分な大きさと言えず、細孔分布の大きい領域でしか相互作用しません。

SunShell C4-100カラムは100 nm (1000 Å)の細孔を持ち、細孔分布のほとんどの領域で相互作用ができます。

この事から、充填剤の比表面積が30 nmの細孔の充填剤より小さくても、100 nmの細孔の充填剤の方が試料負荷量は多くなります。