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コアシェルについて

コアシェル粒子とは?

コアシェル粒子とは無孔性の核の表面に多孔質層が存在する粒子です。

核の存在するコアシェル型構造にすることで、これまでの全多孔性粒子に比べて大幅な性能UPを果たしました。

クロマニックテクノロジーズでは2.6µm,3.4µmと5µmの粒子を取り扱っており、それぞれ1.6µm,3.0µmと3.4µmのコアを持ち、 0.5µm,0.2µmと0.6µmの多孔質層を持っています。

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コアシェルシリカの概略図

なぜコアシェル粒子は性能が良くなる?

Van Deemterの式

vandeemter

vandeemter_graph

A項
多流路拡散、渦巻き拡散:粒径をdp
B項
カラム軸方向への拡散、アナライトの移動相中の拡散係数をDm
C項
物質移動の項:固定相-移動相での物質移動、粒子内での拡散による物質移動に依存

H(理論段高さ)は理論段数一段あたりのカラム長さを表しており、低い方が性能が良いとされます。

Van Deemterプロットは理論段高さとu(移動相線速度)の関数として上記の式から導き出された値を用いて曲線を描いています。 Van Deemterの式はA, B, C項がそれぞれ理論段高さに寄与しています。

コアシェル型粒子はこの3つの項の値をすべて減少させる事ができ、同じ粒子径であるにも関わらず全多孔性粒子より性能を向上させることが出来ました。

A項が小さくなる理由

コアシェル粒子のコア部分のフューズドシリカは非常に狭い粒度分布で製造されており、 その後多孔質層を付加した最終粒子も同様に粒度分布が狭くなっています。

コアシェル粒子は粒子径が揃っているため、カラム内での粒子間の距離が狭くなり、 流路拡散・渦巻き拡散が少なくなる事で Van Deemter式のA項が小さくなります。 (A項:Adpの係数Aが小さくなる)

vandeemter_a

B項が小さくなる理由

全多孔性粒子では溶質は粒子内粒子外に関係なく細孔内を通って拡散しますが、 コアシェル粒子は無孔質のコアにより拡散が阻害されます。 したがいまして、全多孔性粒子に比べコアシェル粒子はカラム軸方向の溶質の拡散が小さくなります。 その結果、 Van Deemterの式のB項が小さくなります。 つまりコアシェル粒子は流速が遅くなっても段数の減少率が小さく、 全多孔性粒子に比べ使用流速範囲を広く取ることができます。

vandeemter_a

C項が小さくなる理由

コアシェル(SunShell)粒子は内部に核が存在しており表面の多孔質層が薄いため、 試料成分が粒子内に入り込み再び出てくるときの拡散距離が短くなります。 つまり粒子内での拡散による物質移動距離または物質移動時間が、 2.6μmのコアシェル充填剤とサブ2μmの全多孔性充填剤はほぼ等しくなります。

また、図に示される様に試料成分が粒子内に入り拡散により広がる拡散幅は物質移動時間と同様に 2.6μmのコアシェル充填剤とサブ2μmの全多孔性充填剤はほぼ等しくなります。 このような事から Van Deemterの式のC項が小さくなると考えられます。

C項の値の減少は、流速を上げても理論段高さは高くならず、理論段数が下がらないことを意味しています。 また、充填剤の細孔径は粒子間の間隙に比べ1/50以下のサイズであるため、 充填剤細孔内での移動相の移動速度は粒子間に比べ1/250以下になり、 溶質は細孔内では移動相の流れよりはるかに遅い拡散のみで動いております。

vandeemter_a

コアシェルカラムを使用する際の注意点

セル容量の影響

HPLCでもフローセルの容量を小さくし、配管の内径を細くしたセミミクロ仕様にできれば、UHPLCに近い性能が出ます。 さらに検出器の応答速度を0.05秒にすることにより、特にピーク幅の狭いピークほど理論段数はあがります。

ピーク幅が2秒以上のピークはセミミクロ仕様HPLCでもコアシェルカラムの性能を100%近く発揮させることができます。

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配管内径の影響

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上記の論段数はカラムとフローセルの間の配管の内径を変えた場合の比較です。配管の内径が太くなることにより、デッドボリュームが増加し、ピーク幅が拡大する原因になります。内径2.1mmカラムのでは配管内径を0.1mm以下にすることをお勧めします。

「通常仕様とセミミクロ仕様のHPLCの比較」では5 μm充填剤のカラムを用いておりましたが、内径2.1mmカラムではさらにデッドボリュームの少ないUHPLCでの使用をお勧めします。

レスポンスタイムの影響

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図の論段数はカラムとフローセルの間の配管の内径を変えた場合の比較です。配管の内径が太くなることにより、デッドボリュームが増加し、ピーク幅が拡大する原因になります。内径2.1mmカラムのでは配管内径を0.1mm以下にすることをお勧めします。

「通常仕様とセミミクロ仕様のHPLCの比較」では5 μm充填剤のカラムを用いておりましたが、内径2.1mmカラムではさらにデッドボリュームの少ないUHPLCでの使用をお勧めします。

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