SUS表面に多層的な有機不活性処理を施したイナートカラム・ハードウェア「PS inert」を取扱っております。
いわゆるSUS-PEEK二重管式のメタルフリーカラムとは異なり、部材そのものはSUSの堅牢性を有しています。
取り回しに優れたメタルフリーカラムで、SUS配管で構成されたHPLC装置でも優れた低吸着性能を発揮します。
参考資料:低吸着化のためのHPLCカラム技術と、 有機不活性管 PS inert の効果[PDF]
HPLCの場合、リン酸・EDTAなどキレート剤添加の移動相を通液しステンレス表面を不活性化したカラム(マスクドカラム)にて金属吸着性化合物のピーク形状を改善する手法が知られていますが、イオン源汚染の恐れからMSには推奨されません。PS inertは、非キレート移動相(例:0.1%ギ酸)であっても上述マスクドカラムと同様の良好なピーク形状を実現し、再現性良く検出する事ができます。LC/MSで吸着性化合物を低濃度で検出したい場合にPS inertは有用な手段となります。
上記は、LC/MSを想定したギ酸移動相条件にて金属配位性化合物(ヒノキチオール)をPS inert、SSの両カラムで分析比較した事例です。SSでは初回注入時にピークが立たず、注入回数を重ねるごとにピーク強度が増していく傾向が見えます。一方のPS inertでは初回注入時から高いピーク強度が得られます。又、ピーク強度の良好な再現性を、ステンレス配管で構成された汎用HPLC環境で実現した事実にも注目下さい。カラムは比表面積が大きく、吸着サイトとしての影響が装置より遥かに大きい事を裏付けています。PS inertは既存装置のままイナート化を追求可能なメタルフリーカラムオプションです。
それぞれのカラムの標準価格プラス25,000円
1) SunBridge C18,5 μm 2.1 x 150 mm PS inert, 型番JB397PS, 93,000円
2) Prominert C18, 3.5 μm 2.1 x 150 mm PS inert, 型番PB997PS, 92,000円
3) SunShell Biphenyl, 2.6 μm 2.1 x 50 mm PS inert, 型番C8694PS, 94,000円
*納期は標準7~10日,サイズやご注文のタイミングによってはお時間を頂くことがあります